撮影のポイント
SHOOTING POINTS
食品撮影
食品撮影のポイント
FOOD
POINT
1
撮影イメージを固める・打ち合わせ
シーン、構図、光など、料理の魅力を引き出す要素はさまざまです。フードコーディネーターを交えて打ち合わせを行い、料理の魅力を引き出すにはどのような演出が必要か、具体的なイメージを共有します。
POINT
2
当日のタイムスケジュールを立てる
料理撮影は出来立ての状態がもっとも美味しそうに撮れるため、フードコーディネーターとの連帯が重要です。
また、カタログやメニュー撮影のように、1日で何商品も撮影が必要な場合は、ライティングやセットを組み直す手間を最小限にして、効率よく撮影する必要があります。
何をどんな順番で撮影するのか、当日のタイムスケジュールを想定した台割りを作成しておく必要があります。
POINT
3
料理撮影に必要な機材を準備する
料理写真の基本は、料理を明るく写し、美味しそうに見せること。そのために重要なのが、「光」です。ここでは、料理撮影に必須となるレンズと照明をご紹介します。
1 | 料理撮影に適したレンズ | 単焦点レンズは画面が明るく、料理の見た目を正確に描写するのに適しています。異なる料理を何枚も撮影する場合や、寄りも引きも抑えたい場合は、一本でさまざまな画角に対応できるズームレンズを選ぶと良いでしょう。 |
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2 | ストロボ・ライト | レンズだけでは明るさを担保できない場合や、料理の鮮やかな色を引き出したい場合は、外付けのストロボを使います。室内の撮影で太陽や季節感の演出が必要な場合は、定常光やデフューザーを活用してライティングを組みます。 |
3 | レフ板 | 自然光の撮影で明るさが足りない場合や、影を飛ばして明るく見せたい場合は、レフ板があれば手軽に光を調整できます。 |
POINT
4
フードコーディネートを行う
撮影する料理の調理や盛り付け、テーブルコーディネートは、フードコーディネーターの仕事です。しかし、料理写真は構図、色、セッティングが重要なため、撮影担当者もフードコーディネートの知識を持ち、より美味しそうに見えるコーディネートを提案できた方が良いでしょう。
1 | 演出全体のポイント | 料理がどんなシーンで食べられるのかを想像し、季節・場面・人数などをクロスや食器などで表現します。 |
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2 | 盛り付けのポイント | お皿の高さや大きさを意識して料理を盛り付けます。色味が少ない料理には、赤・黄・緑など、彩りのある食材を足して華やかさを演出します。 |
3 | 小物選びのポイント | お皿やクロスは、料理の色味を邪魔しないものを選択します。背の高いグラスを使用する場合、抜けに映る背景色にも注意しましょう。 |
POINT
5
光にこだわって撮影する
料理を撮影する上で最も重要と言えるのが光です。料理の魅力を最大限に引き出す光の使い方をご紹介します。
1
逆光・半逆光を使う
真後ろから光が当たる「逆光」、斜め後ろから光が当たる「半逆光」は、料理に適度な陰影を出し、立体感を表現できます。また、食器や料理に自然なツヤ感が出せるるため、新鮮で美味しそうな写真が撮れます。
2
「色かぶり」に注意する
店の照明、太陽光など、撮影用のライティングとは別の光源がある場合は、異なる色の光が混ざって料理の色に影響する「色かぶり」に注意します。「色かぶり」への対策は、使う光源を一つに絞るか、同色のライトを使うのが良いでしょう。
3
やわらかい光を演出する
料理のテクスチャーや食感を表現するにはやわからい光が適しています。定常光の場合はデフューザーで拡散、ストロボの場合は壁に反射させるなどして、料理に当たる光を調整します。
POINT
6
シズル感を引き出すコツ
シズル感とは、料理のみずみずしさ、食べたいと思わせる視覚的な効果を指す言葉です。
料理撮影には、その被写体によってシズル感を引き出すセオリーが存在します。
1
肉料理
鉄板料理の場合は、出来たて感やグツグツ感を表現する湯気や泡が出るよう、背景色や光の当て方に気を配ります。レフ板で被写体にしっかりと光を回すことで、肉の質感やツヤ感を引き出すことができます。
2
揚げ物
側面から光を回し、衣の輪郭を強調すると、サクサクとした食感が視覚的に表現できます。トンカツなど、断面をきれいに見る場合にも半逆光でのライティングが効果的です。
3
ゼリー・ようかん
清涼感やみずみずしさがシズル感につながるゼリーやようかんは逆光や半逆光で撮影します。光で輪郭が強調されることで立体感が出るほか、ツヤや透明感を感じる写真に仕上がります。
POINT
7
レタッチで品質を整える
水滴を整える、湯気を足すなど、撮影環境で引き出したシズル感をレタッチで強調します。別々に撮ったビールの泡とグラスを合成するなど、場合によっては良い素材を組み合わせ、よりクオリティの高い仕上がりを目指します。
POINT
8
納品データ形式
完成した写真を納品するにあたって、その目的や媒体に合わせた解像度や画像データ形式に変換し、記録メディアやオンラインストレージといった受け渡し方法も確認しておくことが大切です。
また他媒体での二次使用の可能性や、著作権や肖像権など、写真の使用条件を明確にしておくことも重要です。
主なデータ形式と特徴
JPEG | Web用途に適した形式、フルカラーでデータ容量が少ない。 |
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PNG | Web用途に適した形式、フルカラーで透明や半透明といった表現が可能。 |
TIFF | 印刷用途に適した形式、画質の劣化がなく、高い解像度が必要な場合に使われる。 |
PSD | Adobe Photoshopで扱える形式、レイヤー情報を保持していて、加工・修正が容易に行える。 |