スチール撮影のポイント
STILL SHOOTING POINTS
インタビュー・取材撮影
インタビュー・取材撮影のポイント
INTERVIEW
POINT
1
インタビューの目的と媒体を把握する
新商品のPRなのか、職人に仕事内容を語ってもらうのか……。そのインタビューの目的によって、インタビュー写真の演出は変化します。また、どんな媒体でどのようにレイアウトされるのかも把握しておかなければ、必要なシーンやレイアウトを想定することができません。
事前にインタビューの目的と媒体を把握し、インタビュアーやディレクターも含め、チームで共有することが大切です。
POINT
2
スケジュールと場所を押さえる
インタビュイー(取材を受ける人)のスケジュールを押さえ、取材場所がオフィスや店舗の場合は、インタビューと撮影の許可を取っておきます。撮影する部屋によってはライティングが必要になるため、どのような部屋で何時に撮影するのかを、あらかじめ確認しておく必要があります。
POINT
3
取材内容と撮りたいイメージを伝える
インタビュー記事のコンセプトに沿って、取材内容や撮影内容をシミュレーションします。どんな写真が撮りたいか、服装や小道具の指定など、あらかじめ取材先に伝えることで、インタビュー前に信頼関係を作っておきます。
また他媒体での二次使用の可能性や、著作権や肖像権など、写真の使用条件を明確にしておくことも重要です。
POINT
4
当日の撮影機材を確認する
インタビュー撮影は一回きり。失敗しても撮り直しはできません。当日、現場に入ってから準備不足で慌てないよう、撮りたいイメージごとに使用する機材を決め、前日までにメンテナンスや動作の確認を行います。
ここでは、一眼レフカメラでのインタビュー撮影に適した機材を紹介します。
標準ズームレンズ | ズームレンズは、被写体までの距離が遠い条件下や、被写体にカメラを意識させず自然な表情を撮りたい時に活躍します。ある程度の距離からズームして被写体を狙うことで、背景がぼけやすくなり、被写体を強調する効果が生まれます。 |
---|---|
広角単焦点レンズ | 被写体に近づいて撮らなければならないような狭い部屋では、画角が広い広角単焦点レンズを使用します。単焦点レンズは比較的明るく撮れるため、ストロボが使えない条件下でも写真が暗くなりにくいのがメリットです。 |
ストロボ・ライト | ストロボは、自然光のみでは明るさが足りない場合や、窓のない部屋で撮影する場合に、壁や天井に光を反射させて使用します。ただし、撮影する部屋の条件によってはストロボの効果がうまく表れないため、基本的にはカメラの設定で明るさを調整する方法が無難です。 また、撮りたいイメージによっては定常光のライトを使用することもあります。 |
POINT
5
カメラの設定を考える
インタビュー撮影では、話している人物の表情や仕草を素早くとらえる必要があります。口元や手元がブレないよう、シャッタースピードは1/125〜1/200くらいの間で調整。F値はできるだけ開放して明るさを確保し、ISO感度は暗くならない程度に調整します。室内の光源を見て、ホワイトバランスを調整することも重要です。
撮影モード | 「シャッタースピード優先」 |
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ISO感度 | 随時調整 |
F値 | 開放して明るさを確保 |
シャッタースピード | 1/125〜1/200で調整 |
ホワイトバランス | 光源を見て調整 |
POINT
6
撮影時の光を考慮する
限られた時間でインタビュー、撮影を行わなければいけない状況下では、複雑なライティングを行うことができません。インタビューを日中に設定し、自然光で撮影するパターンが基本となるでしょう。顔に影が出る場合は、レフ板を活用して影を飛ばしたり、外付けのストロボを活用して光をコントロールしながら撮影します。
POINT
7
構図とアングルを検討する
インタビュー写真の構図やアングルは、被写体のイメージを左右するほか、記事のイメージそのものにも影響を与えます。記事のコンセプトに沿った構図やアングルを決めておくことが大切です。
1
被写体と同じ目線
被写体の近くで話を聞いているような、安定感や親しみを感じる構図になります。
2
やや上からのアングル
表情が印象的に撮れるほか、顔が小さく撮れるため、女性を撮影する際によく使われます。
3
やや下からのアングル
貫禄や前向きな印象を与える構図です。社長インタビューなどによく使われます。
4
1人の体越しにもう1人を撮影する
2人が話している様子が表現できるため、対談の際によく使われる構図です。
5
背景に窓を入れる
画面に奥行きが出て、開放感や明るいイメージが生まれる構図です。
6
注意したい構図
背景に被写体の首、頭、目の位置を横切る線がある構図は避けます。また、インタビュー内容と無関係のロゴや企業名が写り込まないよう、背景や小物に注意します。
POINT
8
インタビュイーを魅力的に表現する
インタビュー撮影の主役はインタビュイー(取材を受ける人)になります。ただきれいな写真を撮るだけでなく、現場でインタビュイーの個性や魅力を引き出すのも、カメラマンの重要な役割です。
被写体の魅力を引き出すポイント
1
キャッチアイを入れる
レフ板やライトを使って人物の瞳に白い光を入れることで、生き生きとした表情を演出します。
2
表情を寄りで押さえる
人物の雰囲気を伝える引きの画のほか、表情に寄ったカットを撮影しておくと、被写体のキャラクターがより伝わります。
3
目線の先を空ける
被写体の目線の先に空間をもうけることで、読者に会話の空気感が伝わる画になります。
4
良い表情を引き出す
被写体の表情が硬い場合は、カメラマンが場を和ませ、笑顔になる話題を振ることも大切です。また、カメラを意識して緊張してしまうタイプの人ならば、カメラマンは存在感を出さず、ズームレンズで遠くから笑顔が出そうな話題や熱の入る話題を狙います。
5
手の動きを入れる
画面に被写体の手が入ることで写真に動きが生まれ、生き生きとした印象に仕上がります。「ろくろを回すポーズ」や「卵を持つポーズ」など、カメラマンが撮りたいイメージに合わせてポーズを演出することもあります。